ベルばら巡り旅
その昔、「ベルサイユのばら」を読んで以来、
パリ＆ベルサイユ宮殿はエジプトと並び、
ずっと私の行きたい場所Ｎｏ1の地位を占めていた。
その夢が実現したのは、初めてのヨーロッパ旅行中だった。初めてという事で、とりあえずツアー参加にしようと申し込んだ旅行は、 私と友人の行きたい場所が組み込まれている、イタリアがメインの半分観光付き、半分フリーのツアー。 その最後の締めがパリ２泊で、半日パリ市内の観光を終えると 一日半のフリータイムが取れる。 苦節○年(^^;) 、やっとあこがれの地、パリに足を踏み入れたのだ。
この時の同行者は、このあたりの趣味･･･いわゆる少女マンガ系と申しましょうか、 それがばっちり一致しているものだから、 もうイタリアにいる時からして、 「キャ〜、ロレンツォの犬がいる〜！」だの 「ここでこのピエタの像を前にオリビエがひざまづいていたのよ！」 だのと、一般人が聞いてもわけのわからない会話をして楽しんでいたわけで、 （ちなみに上記会話はマンガ「７つの黄金郷」の世界に浸っている(^^;) ） そりゃ〜もう、フランスに来たからにはベルサイユ宮殿に行くしかないでしょ、 という事で意見は一致。 ワクワクしながら朝早くパリを出発し郊外電車に乗ってベルサイユを目指す。
朝のパリの駅の窓口はあいていない。 そのため、郊外電車のチケットを自動販売機で買わねばならないのだが、 これがまた、フランス語表示で数画面選択していかないと、 目的のチケットが出てこないタイプなもので、わけがわからない。
窓口に人影が見えたので、「すいませ〜ん、わからないんですが」と声をかけたのに、 窓口のネ〜サンは「窓口はまだ開いていないんだから自動販売機で買え」と非情な応対(T_T)。 これが噂に聞くフランス語至上主義のパリの住人ってやつね。 ったく、わかんないから聞いてるんだろ〜ブツブツ。
結局再び戻った自動販売機の前で二人で適当にボタンを押しながら、
あ〜だこ〜だとやっていたら、
通りかかったサラリーマンのおじさんが親切にも代わりに買ってくれた。
まっ、パリにもいろんな人がいるわ〜な。
帰る時用に、おじさんがどのボタンを押しているかしっかり覚えたはずなのに、
結局帰りもわからず、
やっぱり後ろに並んでいた人に買ってもらった私達も私達だけれどね(^_^;)。
ベルサイユに到着後、ベルサイユ宮殿をめざし徒歩で数分、 あのマンガで見たベルサイユ宮殿の金色に輝く門が眼前に現れた時にはいゃ〜 ホント感激したな、もう！っていう感じだ。
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到着後、まずは一般コースでは回れない国立美術館専属ガイド付きツアーに申し込む。
本当はマリーアントワネットの居室コースを申し込む予定だったのだが、
チケットカウンターでペラペラと早口の英語で説明され、せかされて申し込んだのは、
何故か王室オペラ劇場と礼拝堂を回る一時間コースというやつだった。 なぜなぜこのコースになっちゃったの？ と二人の間に？マークが飛び交う。お互い語学が苦手だからね〜、旅行中、 相手の言う事と私達の理解に差が生じるというのはよくあることさ(^_^;)。 |
でも、このコースってオペラ劇場と礼拝堂の二つしか回らないのに一時間もかかるわけ？ そんなばかな事はないでしょ、と集合時間まであ〜だこ〜だ話していたのだが 記載に間違いなし、本当に二カ所回るだけのコ−スだった。
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でも、このコースは意外に掘り出しものだったのである(^^)v。
まず一つに、あんまり人気のないコースなのか、少人数で回れるという利点がある。
この少人数で（この時は10人ぐらいだったかな）
通常は鍵がかかっていて入れない、
宮殿の離れにあるオペラ劇場に入場してその空間を独占できるのだ。
学芸員ががちゃがちゃと重々しくオペラ劇場の鍵を開けるのを横目でみていると、
うそぉ〜、本当にこの中に入れてくれるのぉ〜、といった感動を覚える。
ちょっと大げさかな(^_^;)。 宮殿にあるオペラ劇場と言えば、 きっとマリーアントワネットやごく一部の貴族が見ていたわけで、 観劇中にはオスカルも護衛に立っていたかもしれないし ・・・オイオイそれは漫画の世界だっつ−の・・・ その座席なんかにちょこんと座っちゃったりなんかできるし、 ベルサイユ宮殿とは別物の、全く一般コースからは隔離された場所だけに見ごたえは充分だった。 |
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マリーアントワネットとルイ16世が婚姻のサインをかわした礼拝堂の方は、
一般コースで回っても廊下の外の方から見る事ができるのだが、
このツアーに入ると礼拝堂の中に直接入る事ができる。
ちょっと優越感を感じちゃったりして(*^^*) 。 コース終了後はそのまま一般の見学ルートを見て回る。 舞踏会が催されたかの有名な鏡の間だとか、王妃が使用していたベッドだとか、 でも残念なのは、調度品のほとんどがレプリカのようなのだ。 まあ、これだけ観光客で溢れかえっていると、それもいたしかたなしか。 |
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一般コース見学後、リベンジ、
マリーアントワネットの居室コースに参加しようと思ったのだが、
これは最後に取っておくことにして、先に庭園の散策に出かける事にした。 庭園といってもすみからすみまで回るには結構な広さ、 という事で本当は庭園内にあるレンタサイクルを借りる予定でいたのだが、 その際、保証としてパスポートを預けなければならない。 でも、見るとテント小屋のようなところに いかにも取って下さいとばかりに無造作にパスポートがおかれていて信用できなかったので、 急遽徒歩で回る事にする。 |
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いや〜、結構な距離なのであるが
途中、マリーアントワネットとフェルゼンの密会の場所？（マンガだとそうなってるわぁ〜な〜）
愛の神殿にプチトリアノン宮殿に、ネプチュ−ンの泉水などなど、
もう辺り一面「ベルばら」の世界が広がっていて、
そりゃ楽しいったらなくて、疲れも忘れて歩き回ってしまった。 庭園内をほとんどくまなく見終えたので、 さて、宮殿に帰ってマリーアントワネットの部屋巡りに参加しようと思ったら、 な〜んと、受付が終了していた。 時間を確認するといつの間にやら16時を回っている。 楽しすぎて時間を忘れていたワ。 という事で、これはまた次回こなくちゃね、という事でベルサイユ宮殿を後にする。 |
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パリに帰りつき夕方、オルレアン公の居城、パレロワイヤルに向かう。
（オスカルが監禁された場所ですね）
途中カフェで１杯のお茶を飲んで休憩しただけで、
その後はブランドショップにわき目もふらず、
ルイ十六世やマリ−アントワネットがギロチンにかけられた
革命広場-コンコルド広場のオベリスクを横目に見つつ、
シャンゼリゼ大通りをひたすら目的地に向かう私達って、
絶対おかしいよね（笑）という話になった。 案の定帰国後、ベルサイユ宮殿観光に一日費やし、何の買い物もしてこなかったと友人達に話したら、 「信じられない！」 と言われた。フフ、マニアっていうのはそんなもんなのさ。（まだまだ私達はライトな方） |
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翌日は12時にホテルロビーに集合して空港に向かうという事だったので、
朝早くから地下鉄に乗り、シティ島にある、
マリーアントワネットが最後の日を送ったコンシェルジェリ牢獄を訪れる。 この牢獄跡には、マリーアントワネットが最後の二ヶ月あまりを過ごした部屋が残されている。 現在その部屋の中は再現され、マリーアントワネットの蝋人形がおかれているのだが、 この部屋の写真にだけ、一筋の白い光が入って仕上がってきた。 これはもしや心霊現象？（写真参） まさかそんなはずはあるまいが、マリーアントワネットの霊がそこにいたと信じよう。 |
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このコンシェルジェリー牢獄の一階は、
結構薄暗い趣のある空間で、そこに階段があった。
別になんの変哲もない階段なのであるが、ここで一枚の写真を撮る事にする。
名付けて「宝塚バージョン、断頭台に上がるマリーアントワネット」（笑）。
宝塚の「ベルばら」マリーアントワネット編の最後に、
一人スポットライトをあびたマリーアントワネットが、
断頭台に向かって大階段を上がっていくウルウルシーンがあるのだが、
そこをモチーフに成り切りポーズでお互い一枚ずつ写真に収まる。
もぉ〜、こんな事ばかりやって喜んでいる私達っていったい･･･。 一回目のパリ訪問はこれで終了したが、 翌年、フリ−でパリを訪れ、 ベルサイユ宮殿再訪の計画をちゃんと実行に移した。 そこで見逃した学芸員付きマリーアントワネットの居室ツアーも楽しんだが、 一回目に訪れた、オペラハウスツア−の方が俄然よかった。 二度目はゆっくりパリ市内を散策するが、 やっぱりパリは私にとって、ベルバラの世界そのものが広がる 憧れの町というのは今も変わらない(^^)。 |