想像していたより全然都会で、ビルが林立するナイロビ市内は、 到着したのが日曜日だったせいか、お店も大概閉まっているし、人通りもさしてない。 しかし、ナイロビの治安は良くないとの話で、数日前にも近くの交差点で人が殺されたと聞いた。 強盗なども多く、カメラなどを手にぶら下げて歩いているなんてもっての他（特に夜）、 取って下さいとみせびらかしているようなものだそうだ。

後日、お土産を買いに閉店間際のＴシャツ屋さんに入った時にも、 店主の人が帰り際に私たちを送り出す際、 ホテルまではこの道を行きなさいと指示まで出し、 しっかり周囲の道に不振人物がいないかを確認した上で、さあ今なら大丈夫と、 なんとも警戒心の強い応対をしてくれた。 お気楽このうえない私たちにしてみれば、まだ日の明るい時間帯に何もそこまで心配しなくても、と思うのだが、 お店の閉まった後の時間帯は、たとえ明るくても結構物騒さが増すのだろうか、 他のお店もしっかり鉄格子つきの扉を固く閉めていた。

ナイロビ到着日に、市内をぶらつこうとホテルの階下に降りた時に、 ナイロビには４年程住んでいた事があるという今回の旅行の委託の添乗員さんにちょうど出くわし、 「知り合いのところに荷物を届けに行くけど、いっしょに行く？」と誘われたので、 それはいいお誘いと、ホイホイとついて行く事にした。

ここで、現地の人が利用する市バスを乗り継いで、添乗員さんの知り合いのお家におじゃまする。 このお知り合い、ケニアに長年住んでいる日本人で、ここでお茶を頂きながら、ちょっとおもしろい話を聞いた。

娘さんが通っている学校では、現在父兄がストを起こして子供を学校に通わせていないというのだ。 何のストかというと、副校長が校長を呪い殺した、という事で、そんな副校長に反旗をひるがえしてのスト･･･ 「はぁ？」といった感じの話だが、いくらキリスト教が広まっているといっても、 ケニアの都会、ナイロビでさえも、住民の間ではまだまだ土着の宗教が根強く生きていて、 呪いとか迷信とかが生活の中に深くかかわっているらしいのだ。 そうした風習の中で生活していくのは、長年住んでいても結構大変なようだ。